GSI Journal

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ここ1〜2年世間では AI の話題が多いですが、その中に AI の台頭で重要性が増す仕事という話題があります。具体的には

  1. ブルーカラー
  2. 問いを立てる
  3. 「感情労働」

などがあります。1についてはどのような話かある程度想像がつくと思いますので詳細は省略し、残りの2つのうち今回は「感情労働」について話していきます。

感情労働とは

元々の意味

感情労働の元の意味としては Wikipedia を参照してもらうとして、そこから引用すると

感情労働に従事する者は、(中略)自分の感情を押し殺し、決して表には出さず、常に礼儀正しく明朗快活にふるまい(中略)的確な対応、処理、サービスを提供し、相手に対策を助言しなければならない。

感情労働 – Wikipedia

というもので、典型的には接客業などが該当します。文面から分かるとおり、この語には否定的な意味合いが多く含まれています。

感情労働と「感情労働」

一方、AI 時代に重要とされる「感情労働」とは、

  • 「人間の感情に寄り添う仕事」
  • 「共感や感情的なつながりを生み出す仕事」
  • etc.

という、むしろ肯定的な意味合いでしょう。従来の感情労働とは異なるもののため、本記事ではカギ括弧付きで「感情労働」と書きます。

※: 最初は感情労働2.0といった語を使おうと思ったのですが、既に違った意味合いで使われているようなので避けました。(emotional labor 2.0 で検索してみてください。)

なぜエンジニアに「感情労働」が必要か

単純な技術力の重要性が相対的に低下

見出しだけで誤解されてしまうのも嫌なので一番最初に書いておくと、今後も技術力の重要性は変わらず、特に高度な技術力を持ったエンジニアの重要性は飛躍的に高まると思います

ただ、重要性が低下する類いの技術力も当然あり、例としては、

  • ○○言語の実務経験X年
  • スマートフォンアプリ開発経験X年

といったものが挙げられます。つまり、単純な問題を解決できる程度の技術力です。重要性低下の理由は言うまでもなく、AI によって代替出来る部分が増えてきているからです。

よって、(少なくとも当面は)エンジニアがやるべき価値のある事としては「複雑な問題を解決する事」です。では、複雑な問題とは何でしょうか。

エンジニアにとっての複雑な問題とは

複雑な問題には色々な種類がありますが、いくつか挙げます。

  1. 技術的に高度な問題
  2. 人間や組織のシステムが絡む問題
  3. 言語化できていない(AI に簡単に指示が出せない)問題

1は単純に高度な技術が必要なものです。例えば、高負荷な分散処理システムであったり、巨大 EC サイトの AI チャットボットの回答精度を改善する、といったものです。今回の本題ではありませんが、前項で「高度な技術力を持ったエンジニアの重要性は飛躍的に高まる」と書いた理由です。

2は過去の様々な経緯・しがらみで単純な問題解決が出来ない業務課題のシステム化であったり、利害関係者が多いシステムの更新などが分かりやすい例かと思います。

3ですが、言語化できている問題=やる事が明確な問題であれば、AI に適切な指示を出す事で質の高い成果物が出る可能性が高くなってきています。一方、何かやりたいけどまだ明確に何をすれば良いのか分かっていない問題は、まずはそれを紐解いた上でシステムに落とし込む必要があります。要件定義などが分かりやすい例ですが、それに限りません。

多くの複雑な問題には技術力以外も必要

前項で述べたような複雑な問題の多くは、単純に技術力だけでは解決できません。

  • エンジニア以外の専門家との協業(デザイナー、業務担当、法務、マーケティング等)
  • 様々な利害関係者との調整
  • 人間の曖昧な思考・発言をシステム化しやすい形に言語化する
  • 人間の行動を観察し、使いやすいシステムを設計する
  • 何をやるべきか、やらざるべきかの判断

といった事が必要になります。

「要は対人スキルの事か」と思われるかもしれません。半分は正しいですが、対人スキルに限った話ではありません。

上に挙げたような事が出来るようになるための1つの方向として、人間の感情に寄り添ったり、共感や感情的なつながりを生み出す、といった「感情労働」が必要となります。

「感情労働」が出来るエンジニアになるには

ではそうしたエンジニアになるために出来る事は何があるでしょうか。

仕事: 対話機会を増やす

チームメンバーのエンジニアは当然の事ながら、マネージャー、デザイナー、マーケティング、お客様、あるいはバックエンドスタッフ等の異なる視点を持っている人と話す機会を積極的に持つと良いと思います。

エンジニア同士でも、教える・教わる、業務の調整、といった事に積極的に関わると良いでしょう。

仕事: 他者の観察、振り返り

打ち合わせ、あるいはちょっとした会話の後に、他の人が何を感じていたのか、などを振り返って考えてみるのも良い訓練になると思います。

また、お客様が実際にシステムを使っているところを観察する、あるいはヒアリングを実施する、というのも重要です。

仕事以外: 多様な人と交流する

仕事以外でも多様な人と交流するのは大事になると思います。地元の友達、古くからの友達、趣味のコミュニティ、ボランティア、勉強会など、きっかけは色々あります。

多様な人と交流する事で多様な考え方、多様な感情のパターンに触れる事が出来ます。

仕事以外: 多様な経験をする

旅行に行って違う文化に触れるというのも良いですし、お金のかからない新たな趣味を始めてみるとかでも良いと思います。

仕事以外: 心理学等の基礎を学ぶ

人間の心理・感情の背景にはどういった仕組みがあるのかといった基礎知識を持っておくだけでも、他人の感情の理解がしやすくなります。(認知バイアス、集団力学、等)

まとめ

AI 時代の現在、エンジニアに求められているのは単純な技術力による問題解決だけでなく、「人間の感情に寄り添う仕事」「共感や感情的なつながりを生み出す仕事」といった「感情労働」も求められるようになってきています。

そのために出来る事は仕事・仕事以外でも色々ありますが、多様な人と話をする、多様な経験をするというのが重要だと考えています。


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